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2017年名古屋グランパス新監督の風間八宏を読み解く!

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2017年に名古屋グランパスの監督に就任した風間八宏とはどんな監督なのかを読み解くために、風間さん著作の「革命前夜 すべての人をサッカーの天才にする」を読んだので要点をまとめます。

目次

1.風間八宏とは?

1961年10月16日、静岡県生まれ。清水商業高校時代から天才と騒がれ、日本ユース代表として1979年のワールドユースに出場。その後、筑波大学在籍時に日本代表に選出される。卒業後、ドイツのレバークーゼン、レムシャイトなどで5年間にわたってプレーを続けた。帰国後マツダSCに入部し、1992年からはJリーグ発足に伴ってサンフレッチェ広島でプレー。日本人選手Jリーグ初ゴールを記録。現役引退後、解説者として活躍する傍ら、桐蔭横浜大学サッカー部監督、筑波大学蹴球部監督を歴任。2012年4月〜2017年1月まで川崎フロンターレ監督と勤めた。2017年1月から名古屋グランパスの監督となった。

2.「革命前夜 すべての人をサッカーの天才にする」を4つのキーワードで読み解く

①「サイドは空いてるスペース」「中央は狭い」の考えは捨てろ

風間監督は「なぜJリーグの攻撃は単調なのか?」という問に対して、「クロスとミドルシュートを防がれると、攻め手がなくなることが多いから」と答えています。クロスとミドルシュートという攻撃は、ある程度強いDFがいたら防ぐのは難しくなく、ヨーロッパではクロスやミドルシュートばかりの単調なプレイはほとんどやらなくなったと記しています(マンUモイーズはやってたけど・・・)。 では、なぜJリーグの多くのチームがクロスとミドルシュートを多用するのかというと、それは「サイドは空いてるスペース」「中央は狭い」という認識になっているためです。中央でボールを受けても、ほとんどの選手がスッと横を向いて、サイドにボールを出してしまうのです。しかし、サイドにパスを出してもほとんどの場合は何も起きません。それはゴールは中央にあるからです。そこで、風間八宏はサイドだけではなく、ペナルティエリアの「3辺」から入るイメージを持てば、攻撃の発想が変わるとしています。「ペナルティエリアには、横の2辺と、中央の1辺から入ることができる。一番長い辺はどこかと言えば中央の辺。中央突破だけでも、サイド攻撃だけでもなく、この3辺の開いているところから攻めるという意識を持てば、相手と駆け引きしながら攻略できるようになる」とのことです。

②「人を外す動き」

 では、どうやって相手と駆け引きしてペナルティエリアの3辺を攻略して行くのでしょうか?その鍵になるのが「人を外す動き」です。「人を外す動き」とは「背中を取る」(視野の駆け引き)、「矢印の逆をつく」(重心移動の駆け引き)の2つの動きを意味します。「背中を取る」とは人とボールの両方見なければならないDFと駆け引きをして、パスが来る瞬間にDFの背中側にまわりこみ、DFの視野から消えてパスを受ける動きのことを意味します。「矢印の逆をつく」とは、例えば引いてパスをもらう動きでDFが付いてこようと重心移動した瞬間に素早くターンしてDFの裏でパスを受けることを意味します。これらの「人を外す動き」を実践すれば、どんなに相手がコンパクトな陣形を組んでいても、わずかな隙間でフリーになり、パスを受けることができると記述されています。

③「自分を入れろ!」

「自分を入れろ!」とは風間監督が練習中によく使う言葉で、「パスを出したあとに、その場に立ち止まらず、もう一度パスコースに顔を出してボールをもらいに行け」という意味です。つまり、自分を攻撃に関与させ続けろということですね。まわりに沢山DFがいたとしても、局所的に見れば、味方とそれをマークしているDFというケースがほとんどであり、そこにボールを出して、自分を入れれば、局所的に2対1になると記載してあります。それが相手を攻略する鍵ということですね。 

④「目をそろえる」

風間監督は「目をそろえる」ことで、戦術練習をしなくてもしっかりチームになると言っています。では、「目をそろえる」とはどういう意味なのでしょうか?川崎フロンターレサポーターの「nishi19」さんのHPを参考にして、読み解きたいと思います。

www.nishi19-bn.com

・「目をそろえる」とは?

「目を揃える」という言葉には、様々な意味が込められてるようです。主に、プレーの良し悪しを判断する基準を揃える、目標を揃えることを意味します。川崎フロンターレでは、「目を揃える」事によって、個々の認識のズレをなくし、少しずつ少しずつ、チームのレベルを上げていったようです。そして「目をそろえる」対象として、「選手」、「スタッフ・コーチ」、「サポーター・メディア」の3つがあるとのことです。

・ 選手の「目をそろえる」

まず、目を揃えるべきは、選手。川崎フロンターレでの例としては、「フリー」という言葉の定義が、他のチームとは違ったとのことです。川崎フロンターレ以外のチームは、「相手が周りにいない」状態の事をフリーと定義しています。しかし、川崎フロンターレでは、相手がいてもかわせる、あるいは相手が届かない場所にパスをして、ボールを取られないのであれば、それは「フリー」だと定義しているとのこと。このように、選手の目線をそろえることで組織ができると考えているようです。

・コーチ・スタッフの「目を揃える」

次に「目をそろえる」べきは、コーチ・スタッフです。川崎フロンターレ監督就任時は、風間監督の目を理解しているコーチングスタッフを連れて来れなかったようです。なので、風間監督が考えている事を含めた「目を揃える」行為を、コーチ・スタッフにも行わなければならなかったようです。名古屋グランパスにおいては、川崎フロンターレから「森一哉」ヘッドコーチと「川崎英正」トレーニングコーチを招聘しているので、「目をそろえる」のにそれほど時間は掛からないと思われます。

・サポーターやメディアの「目を揃える」

サポーターやメディアも風間監督と同じ「目」を持たないと、批判的になったり、懐疑的になり、クラブとして一体となって戦うことが出来ません。特に昔からの名古屋グランパスのサポーターは、2010年の成功体験から、ケネディにサイドからクロスを入れるやり方やリトリート守備など風間サッカーとは相反する価値観を持ったままだと思われます。古参のサポーターは監督と「目がそろってない」が故の反発や感覚のズレに悩むことになりそうです。

3.最後に

風間監督は著書「革命前夜」の中で、「日本サッカーの未来像を聞かせてください」という質問に対して、以下の様に語っています。

国内に目を向けたら、才能のある選手がいっぱいいる。彼らをドイツのブンデスリーガの1人にするのではなく、彼らの力でJリーグブンデスリーガよりもおもしくすることが可能だと思う。ドルトムントバイエルンと比べて、『うちの方がうまいでしょ?』って言えるチームがJリーグから出来ても全然不思議じゃない。外国人にすべてを任す、見本を見せてもらいましょうっていう時代から、それを超えていく時代になっているんじゃないかと。

名古屋グランパスの新監督として就任した風間八宏氏。彼がこれから起こそうしているサッカー革命を目の当たりにできる名古屋グランパスサポーターは幸運だなと思います。風間八宏のサッカー革命を刮目しましょう!!

革命前夜 すべての人をサッカーの天才にする

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